ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

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デンマークのコペンハーゲンにおいて開催されたIce Core Analysis Techniques (ICAT) PhD school-2019 および8th International Ice Drill Symposiumに参加しました。どちらも私の研究対象であるアイスコアに関連したものです。アイスコアはグリーンランド氷床や南極氷床、氷河を掘削して得られる氷で、その中に含まれる気体や化学成分などから得られる情報は古気候・古環境復元に役立ちます。

2019年1215日に、グリーンランドの首都ヌークにおいて、Greenland Science Weekが開催されました。このシンポジウムは「北極域の科学」と「グリーンランド社会」を橋渡しする目的で開かれ、グリーンランドで活動する国内外の研究者や現地に暮らす人々が参加しました。ArCSから5名が参加し、ArCSテーマ2グリーンランドにおける氷床・氷河・海洋・環境変動」で実施している、グリーンランド北西部カナック地域における氷河・海洋の研究活動を紹介しました。

北極域研究推進プロジェクト(ArCS)の第5回目となる公開講演会を2019年12月15日(日)に東京・本郷の伊藤謝恩ホールで開催しました。今回の講演会は、「北極研究から見えてきたもの」というタイトルのもと、ArCSで5年間にあげてきた成果を中心に、SDGsを中核とする国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に対応する3つのラウンドテーブルにまとめました。また、受付横では、話題提供者のひとりである木村元氏(JAMSTEC)らが製作した北極ボードゲーム「The Arctic」の展示を行いました。

2019年1225日にグリーンランドのヌークを訪れ、グリーンランドサイエンスウィーク(125日)のパブリックアウトリーチデーで発表を行うとともに、グリーンランド天然資源研究所(Greenland Institute of Natural ResourcesGINRを訪問しました。GINRArCS国際連携拠点として、グリーンランドにおける日本の観測・研究支援を行っています。そのGINRに設置されているグリーンランド気候研究センターは、グリーンランドの海洋生態系と人間社会に対する気候変動の影響を評価する点で、私たちの研究グループと似た戦略目標を持っています。同センターとの今後の研究連携を目指し、私たちがグリーンランドで行っている観測活動や研究成果を紹介するセミナー発表を行いました。

11月29日と30日にヤクーツク市とチャラプチャ郡カヤフシット村で調査報告展示と冊子「永久凍土と文化」(環境教育教材)の贈呈会を行いました。

北極域グリーンランド氷床や南極氷床は過去に積もった雪が氷となって保存されたものであり、氷床を掘削して、アイスコア(円柱状の氷)を分析することで、過去数十万年前までの地球環境を復元することができます。私は今年度からアイスコアに含まれる空気成分と雪氷の物理的特性に着目して、極域の氷床を対象にしたアイスコアの研究を始めました。そんな中2019年9月23~28日にかけてデンマークのコペンハーゲンで、これからのアイスコア研究を担う若手の教育を目的としたIce Core Analysis Techniques (ICAT)PhD school-2019が開催されました。また、9月30日~10月3日にはアイスコア掘削に関するInternational Ice Drill Symposium(IDS)が開催されました。そこで、アイスコア研究への理解を深め今後の研究を進めていくための下地を固めることを目的としてICAT、IDSに参加しました。

”Arctic Greening”という言葉をご存知ですか?気温上昇などにともない、北極圏に生える植物の背丈が高くなり、宇宙などから見たときに、過去よりもより緑色になって見える(Greening)ことで、近年、北極圏で見られている現象です。

ArCSテーマ7の下で神戸大学極域極力研究センター(PCRC)を中心に行われてきた北極国際法政策に関する国際共同研究の総括と今後の研究課題を明らかにすることを目的に、12月2日からタスマニア・ホバートで開催される第12回極域法国際シンポジウムにおいて特別セッションを設置して研究成果を発表しつつ、世界中の極域研究者からフィードバックを得ます。

私は2019年7月にArCS若手研究者派遣プログラムの支援を受けてアラスカのミドルトン島に行き、海鳥のプラスチック誤飲に関する研究を、同島で繁殖するミツユビカモメを対象として行いました。本研究はInstitute of Seabird Research and Conservation(ISRC)との共同研究です。

海鳥は鳥類の中でも最も保全の必要性が高いグループです。特に1960年以降、海鳥によるプラスチック誤飲の報告が相次いでおり、海洋プラスチック汚染に対して脆弱であることがわかってきています。たとえば、プラスチック誤飲による影響として消化器系の物理的な損傷、消化効率の低下および有毒化学物質の放出などがあげられており、重大な問題となっています。この問題を解決するためには、まずプラスチック誤飲を引き起こすメカニズムを理解することが重要であり、その上でこれを軽減する解決策をみつけていく必要があります。

スウェーデン・ストックホルムにあるスウェーデンのEnvironmental Protection Agencyの一室で9月5日から6日に開催されました。近代的なビルでしたが、所長によると数ヶ月前にこのビルに引っ越し、約500名が勤務しているとのことでした。会議には北極国も含め14カ国から45名程の出席者がありました。今回はスウェーデンが議長となってから初めての会合でした。