ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

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北極域研究推進プロジェクト(ArCS)の第4回目となる公開講演会を2018年11月9日(金)に東京・一ツ橋の一橋講堂で開催しました。今回の講演会では、「北極の環境変化と人々への影響」というタイトルのもと、前半は北極域の自然環境の変化について各分野の研究者が講演を行い、後半は前半を受けて、それらの変化の影響・インパクトを論じるパネルディスカッションという形式で実施しました。また、受付前では、「Our Activities in the Arctic」と題し、北極の環境変化とプロジェクトの取り組みを紹介するパネル展を行いました。

2018年9月6日から10月2日までカナダの砕氷船Louis S. St-Laurent(写真1)に乗船し、北極海カナダ海盆の海洋観測を行いました。全体としては、CTD観測、ニスキンボトルによる採水、プランクトンネットを用いた動物プランクトンの採集、XCTD観測、海氷観測、ITPブイの回収・設置、係留系の回収・設置などが行われました。我々のグループは、ニスキン採水、採水したサンプルのアルカリ度の測定、係留系に設置した時系列採水器の回収を行いました。

海洋研究開発機構(JAMSTEC)が所有する海洋地球研究船「みらい」(写真1)を利用して、2018年10月24日から12月7日にかけて、北極海における観測航海が予定されています。 私たちは10月22日と23日に関根浜港を訪問し、「みらい」に大気中の温室効果ガスを測定するための連続観測システムと空気サンプリングシステムを設置しました。

私は本派遣で2018年7から8月にかけてカナダのヌナブト準州に位置するバイロット島、ポンドインレットを訪問してきました。バイロット島は人間の侵入、行動が厳しく制限された国立公園(Sirmilik National Park)で、入島には事前に多数の手続きを踏む必要があります。交通手段はヘリコプターか徒歩のみであり、ほとんど手つかずの自然が保護されています。ポンドインレットはバフィン島北部に位置する村で、イヌイットの居住区になっています。バイロット島研究の拠点として、夏季は研究者が多く訪れる村でもあります。

私たちの研究グループは2016年、2017年に引き続き東グリーンランド深層氷床掘削プロジェクト(East GRIP)に参加してきました。East GRIPはデンマークをはじめとする各国が参加し、グリーンランドの氷床や気候変動を明らかにすることを目的とした国際的なプロジェクトです。

テーマ6の生物多様性課題では、ベーリング海北部セントローレンス島で海鳥の生態に関する調査を実施しています。2016年に調査を開始して3年目。今年も7月中旬〜8月下旬まで極地研、北海道大学水産科学院、アラスカ大学フェアバンクス校から5名の研究者が入れ替わりながら現地エスキモーのガイドとともに調査を進めました。私自身は7月31日から8月18日までの旅程で野外調査に参加しました。