ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

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EGRIPからご報告

私達の研究グループは、昨年に引き続き、東グリーンランド深層氷床掘削プロジェクト(EGRIP)に参加しています(昨年度の報告はこちら)。このプロジェクトは、グリーンランドの氷床・気候変動を明らかにすることを目的として、多くの国々が共同で氷床の掘削・観測を行っているものです。今年度、日本からは計7名の研究者・技術者・学生が交代で参加しています。今年から本格的な氷床の掘削が始まり、6月から8月まで滞在する私はこの期間中主に掘削された氷(アイスコア)の結晶組織の解析(物理解析)と掘削地周辺の雪・エアロゾルのサンプリングを行っています。

グリーンランドの80%を覆う氷床は、近年、地球温暖化のため質量が減少してきています。質量減少のプロセスは単純ではなく、その実態の解明のために各国がグリーンランド氷床の各地で観測を行っています。日本は、2012年6月に気象研究所、国立極地研究所、北海道大学などが協力し、グリーンランド北西部の氷床上に観測サイトを設定し、高さ6mの自動気象観測装置(以下、気象測器)を設置しました。

Future Arctic参加報告

5月24日にカナダ・ケベックにあるラバル大学のForêt Montmorencyで行われたFuture Arcticに参加し、各国の北極研究の現状についての情報収集を行うとともに、カナダを中心とする国際共同研究体制の構築に向けて意見交換を行いました。

3月上旬からスバールバル諸島のニーオルスン(ノルウェー)で開始したエアロゾル・雲の集中観測キャンペーンArctic Clouds, Aerosols, and Radiation Experiment 2017(Arctic-CARE 2017)ですが、早いもので残り数日となりました。現在は撤収作業を始めています。

ArCS研究テーマ1及び研究テーマ7の研究グループにより、北極域研究共同推進拠点と共催にて、北極海航路に関する最新研究成果を紹介する公開セミナーが3月10日に都内で開催されました。セミナーの目的は、北極海の利用や保全をめぐる国際関係、北極圏における資源開発の動向、北極海航路の利用に向けた海氷・波浪・海運に関する研究成果を、北極に関心を持つ産官学界の関係者にむけて紹介し、今後の研究課題と展望について、広い視点から議論することです。セミナーは3部構成とし、第1部では北極に関わる世界の政治・資源開発・海運における動向を総括、第2部は北極海航路に関する自然科学・工学研究の成果を紹介、第3部ではこれらの研究を通じ、北極研究の課題、今後の取り組みに関する総合的な展望について、発表が行われました。