ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

グリーンランド北西部フィヨルドでの海洋観測(カナックから③)

氷河の観測に引き続き、2013年より継続して調査を行っているボードインフィヨルドでの海洋観測を行いました。氷が海へ流出しているボードイン氷河の末端部では、ここ数年で急速に氷が失われています。

氷河が接地する海底地形の形状や、氷河が接する海水の温度上昇などが、ここ数年で見られる氷の消失に関係していると考えられています。今年の観測では、海 底地形をより詳細に把握するための音響探査と、フィヨルド内を循環する海流の水温や塩分、流れの速さなどを長期間調べるための観測機器の係留を行いまし た。また氷河からフィヨルドへ流出する氷山や淡水、土砂が、フィヨルド内の化学物質の循環、ひいてはフィヨルドに生息する微細な動・植物プランクトン、ま たそれらを餌にする魚、海鳥に与える影響を調べるため、海水のサンプリングや、プランクトン・魚類のサンプリング、海鳥の目視調査などを行いました。

漢那直也/北海道大学(テーマ2実施担当者)

観測機器の係留。カナック村の現地協力者と連携して、水深約500mに水温センサーなどを設置しました。1年後に観測機器を回収します。

化学分析用海水のサンプリング。採水器を用いて最大水深800mから採水します。

動物プランクトンのサンプリング。網目の小さい特殊なネットで動物プランクトンを採取します。


その他のカナック調査観測についての記事はこちらから

<2016年>
グリーンランド北西部カナックでの観測(カナックから①)
グリーンランド・ボードイン氷河での野外観測(カナックから②)
カナックの村人とのワークショップ(カナックから④)

<2017年>
グリーンランド北西部、氷床上の観測1 —自動気象測器のメンテナンスー
グリーンランド北西部、氷床上の観測2 —ボードイン氷河における観測—
カナックの住民とのワークショップ
グリーンランド北西部フィヨルドでの海洋調査

<2018年>
グリーンランド北西部カナック氷帽と流出河川での調査
カナック村住民とのワークショップ
Inglefieldフィヨルドでの海洋観測とケケッタ村住民とのワークショップ

<2019年>
グリーンランド北西部におけるカナック氷帽の質量収支と融解水流出の観測
グリーンランド北西部Bowdoin氷河観測