ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

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北極評議会(AC)の北極動植物相保全ワーキンググループ(CAFF)が主催する第2回北極生物多様性会議(2nd Arctic Biodiversity Congress, ABC2)が2018年10月9日から12日まで、フィンランドのロヴァニエミで開催されました。第1回(2014年12月、トロンハイム、ノルウェー)は、2013年に発表されたArctic Biodiversity Assessment (ABA)(*1)のキーコンセプトや基本的体制に関する議論が中心でしたが、今回はABAをベースに行われている提言や実践の社会実装(政策化・実践)が主題となりました。

グリーンランド南西部における氷河表面の反射率データの解析を行うため、イギリスのアベリストウィス大学に2018年11月26日から12月14日までの約3週間にわたって滞在しました。

近年、グリーンランド氷床の融解が急速に進んでいることが明らかになっています。この融解には、地球温暖化だけでなく、氷床表面の反射率の低下(暗色化)が寄与していると報告されています。反射率低下の要因は、氷河上での微生物の繁殖や黒色炭素や鉱物ダストなどの沈着、雪氷粒子の形態変化や含水率の増加などで、これらの要因がそれぞれ反射率低下に寄与する度合いや、反射率の時空間変化を把握することは、今後の融解を予測する上で重要です。

北極評議会PAMEワーキンググループの2018年第2回総会が、ロシアのウラジオストク市にて開催されました。議事は、実施中のプロジェクトの活動報告、11月に予定されている次のSAO会合への報告事項、およびPAME 2019-2021 ワークプランへの準備と新規プロジェクト提案の審議などです。来年は北極評議会議長国がフィンランドからアイスランドに移るため、多くのプロジェクトが節目を迎え、成果報告、継続する次期の実施計画、および新規提案に関する多くの案件が協議されました。

地球温暖化が進行中にも関わらず、北半球中緯度域の特にユーラシア大陸中央部では近年寒冬が頻発しています(図1a)。北極海の海氷減少(図1b)による中緯度大気への遠隔影響がユーラシアの寒冷化の原因であることが指摘されていますが、観測データを基にした解析や数値モデルによる実験結果の間で結論が異なり、その反直観的な影響の妥当性が議論になっていました。

ArCS若手研究者海外派遣事業のご支援を受け、2018年10月16日から11月30日までの間、ドイツのMax-Planck institute for Meteorology (以下MPI-M)に滞在しました。私は新潟大学の大気海洋システム研究室に所属し、対流圏と成層圏の境界である対流圏界面の変動について研究しています。対流圏界面の変動は気候変動の指標となり、温暖化の傾向を示すことが知られています。一方で北極域では全球平均と比べて著しい速度で温暖化が進んでいることがこれまで明らかとなっています。本派遣では北極域の対流圏界面変動の実態、またその要因について温暖化あるいは内部変動との関係を明らかにすることを目標としました。派遣先であるMPI-Mはドイツ・ハンブルクに位置し、約200名の大気・海洋・陸面の研究者が在籍しています。受入研究者であるElisa Manzini博士を中心に、様々な分野の研究者の方々と多角的な意見交換を行ってきました。特に派遣期間中頃に行われたセミナーにて初期解析の結果と今後の研究方針について発表させていただいた際には、多くの海洋学者の方々にもご参加頂き新たなテーマの発見へとつながるアドバイスをいただきました。他にも研究所内で行われるワークショップや各分野のセミナー、研究所全体の今後の方針について全員参加で議論するretreat に参加させていただき、大学とは異なる研究機関での研究生活を体験できました。

12月10日(月)から12月14日(木)までの5日間にかけて、ワシントンD.C.(アメリカ)にて開催されたAGU Fall Meeting 2018に参加しました。期間中は4日目の午前中にポスター発表を行い、それ以外の時間は口頭発表に参加したり、協賛ブースの見学やワシントンD.C.内の観光をしました。

北極域氷河の動態と質量変動について議論するワークショップが、2019年1月21-23日にノルウェーのイェイロで開催されました。国際北極科学委員会(IASC)傘下の北極域氷河研究ネットワーク(NAG)が主催するワークショップで、今年で15回目を迎えます。

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)より日本-ロシア共同研究課題の公募についてご案内を頂きましたので、ご案内いたします。

2019年2月25日追記:公募期間が延長されました。
====公募情報=====
公募案件:日本-ロシア共同研究課題募集
公募領域:北極観測および北極域における自然利用とエネルギー資源開発のための科学技術
公募期間:2019年1月21日(月)~3月18日(月)
公募目的:
本募集では、北極域でも最大面積を占めるロシアとの共同研究を通して、国際社会が直面する課題解決に貢献する研究成果を導くことを目的としています。例えば、地球温暖化対策、エネルギー安全保障、そして日本の北極政策に資する成果が期待されます。

詳細は下記のURLをご覧ください。
https://www.jst.go.jp/inter/program/announce/announce_russia_MON1st.html

※こちらから募集要項を直接ご覧いただけます。
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神戸大学極域協力研究センター(PCRC)は、2018年12月17日から18日までの2日間、国際シンポジウム「北極資源開発の持続可能性と国際法」を開催しました。PCRCは、北極における国際法政策課題を研究すべく、2015年10月に設立され、同年12月には北極国際法秩序の現状を俯瞰するシンポジウム(リンク先:英語ページ)、2016年7月には北極海における法秩序形成を論じる第2回シンポジウム(リンク先:英語ページ)、2017年12月には北極法秩序形成における非北極国/アクターの役割を論じる第3回シンポジウムを開催しました。