ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

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  1. 研究

滞在先である北東連邦大学の、照明設備改善による二酸化炭素排出削減効果に着目した研究をおよそ40日間の日程で行いました。受け入れ教員であるTuyara先生から熱心なご指導を頂くことができました。また北東連邦大学にて照明設備の効率化を実施している現地企業AMTEK+のディレクターであるピョートル様からは、惜しみの無いデータの提供や週1回ペースでのミーティングなど多大なご協力を賜ることができました。研究の設備に関しても大変恵まれていました。大学の設備であるArctic Innovation Centerには北海道大学と北東連邦大学の共同研究室が設置されており、Wi-Fiや暖房、十分なスペースが確保されていました。朝から夜まで長い時間利用が可能であった点も幸いでした。こうした恵まれた環境のおかげで、満足のいく研究を行うことができました。

今回の調査により、北東連邦大学の一部にて実施された照明設備の改善による年間電気料金削減の効果が明らかになりました。また二酸化炭素の排出削減効果を評価するために必要となる情報を一通り揃えることができました。今後はこのデータを利用し、二酸化炭素の排出削減効果を明らかにしていく予定です。

グリーンランド北西部に位置するカナック村を拠点として観測活動を行っています。私を含む北海道大学の3名が、先発隊として7月4日に現地に到着しました。到着時に村の前を覆っていた海氷は日々姿を消し、現在はいくつかの氷山が残るのみとなりました。海氷が消失したことで大型の輸送船が村に寄港できるようになり、冬・春を経て品薄になっていたスーパーマーケットに物資が運び込まれています。開水面に浮かぶ船に、夏の訪れを感じます。

私は今、歴史ある港町、神戸の古びた喫茶店にいます。戦後間もない昭和の気配を漂わせる古めかしい張り紙が所狭しと壁に貼られた薄暗い店内には、レコードから流れるJAZZの音色が、まるで時の流れを止めるかのように優しく響いています。私は今年1月10日まで、ArCS 若手研究者派遣事業の支援を得て、極域の研究を専門に行うオランダ北部のフローニンゲン大学 Arctic Centre に、9ヶ月半に渡って留学していました。30年近くに渡って北極域の渡り鳥の研究を行っている Maarten J.J.E. Loonen 博士の研究室に籍をいただき、昨夏には Loonen博士率いるオランダの調査隊にも同行して、北緯79度を誇るノルウェー領のスピッツベルゲン島(スバールバル諸島)にあるニーオルスン基地に2ヶ月もの期間滞在し、野外調査を行いました。目をつぶれば今この瞬間にも、スピッツベルゲン島の壮大な風景が、鮮明に脳裏に浮かび上がります。まるで嘘のような、美しすぎる夢のような、非現実的で掛け替えのない体験でした。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の気候変動観測衛星「しきさい」の観測物理量を検証する観測活動が、東グリーンランド深層氷床掘削プロジェクト(EGRIP)観測拠点において行われています。

本観測は国際連携拠点の整備メニュー、ならびに国際共同研究推進メニューのテーマ2「グリーンランドにおける氷床・氷河・海洋・環境変動」の協力により実施しているものですので、ご紹介します。

ArCS事務局

アラスカ大学フェアバンクス校の地球物理研究所に2017年5月から9月まで約4ヶ月滞在しました(写真1)。滞在中の目的はこれまでにパタゴニアやグリーンランドの氷河で取得した現地データの解析及び議論と、アラスカの氷河で現地観測を実施し共同研究体制の構築や氷河の地域間での比較研究を進めるためです。

デンマーク第4の都市であるオールボー(写真1)は、デンマークのなかで最も多くのグリーンランド人が住む街として知られています(グリーンランド全国紙Sermitsiaqの2018年3月7日付電子版記事:Rekordmange grønlændere bor i Danmark)(写真2)。グリーンランドとの物流の要となる港(グリーンランド・ハウン)の存在や、世界最大の水産物供給会社の一つロイヤル・グリーンランドのヘッドクォーターが置かれるなど、産業面でもグリーンランドとの係わりが強い街です。そんなデンマークでありながらグリーンランドを沢山感じられる地で私は、ArCS若手派遣の支援を受けて、2017年3月20日から2018年1月31日までの約10か月間、在外研究を遂行する機会に恵まれました。

本派遣事業により2017年7~9月にロシア北東部のサハ共和国に滞在し、現地調査および学術交流を行いました。

北極域の環境は急激に変化しており、現地および全球の生態系・人々の生活への影響が危惧されています。ロシアには広大なタイガ林が広がっていますが、こうした森林は地球規模の二酸化炭素の固定・排出に大きく関係しています。特に北東シベリアのような寒冷な地域では、膨大な炭素が有機物として地中に蓄積されており、気温の上昇に伴って二酸化炭素の排出源になることが危惧されています。私の研究では地中の炭素循環に目を向け、土壌環境や生物相の変化が土壌および森林全体の炭素循環にどのように影響するのかを明らかにしています。派遣中は北緯60~70度のタイガ林で、土壌炭素量や土壌呼吸量などの測定を行いました。